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「哲学」と聞いて何を思うだろうか?
人の人生や生き方を指し示す道標になりえるものだろうか。
一部のもの好きが学ぶための必要のない学問の代表例だろうか。
僕が大学生のころに「哲学」を授業で学んだことがあったが、その時は完全に後者だった。
全く面白いとは思わなかった。正直何言ってるかわからないし、できてもだからなんだって感じだった。
ただ、今は哲学に対する見方が大きく変わっていた。
哲学を読解できるようになったからだろう。
人や自分のことで悩み事を抱えたときに哲学はそれに対する解決への糸口を提示してくれるものだと知った。
現代において哲学が活躍する場面があまりにも多い。
哲学とは本来、「人がより良い生を送るため」に生まれた学問なのだ。
ルサンチマンとは「弱い立場にあるものが、強者やできないものに対して抱く嫉妬、憎悪、怨恨、劣等感の混ざったような感情」のような解釈だが、ルサンチマンは人の価値基準を歪めてしまうため豊かな人生を送るという点で大きな阻害要因になるものだと彼は言う。
これだけではわかりにくいが、実際に想像してみるときっと理解できるだろう。
創造してみてほしい。
特に自分の好きな柄というわけではないが新しく出たブランドものの商品をのどから手が出るほど欲しくなったことが。
すごく欲しかったわけではないけれど学校の友達みんなが持っているという理由で急にほしくなってしまい親に買ってとせがんだことが。
欲しくはないものなので買う必要はないわけだが、「持っている人は成功者だ」、「みんなは使える状態にあるが僕にはない」という思いから冷静な判断力を鈍らせてしまう恐ろしいものである。
中でも特に危険なのはルサンチマンを解消するために自分を正当化しようとする人がいることだ。
優秀な部下を持った上司が、その部下にことごとく強くあたり続け、部下がなにか失敗すれば必要以上に責め立ててしまう、という事例がこれに当てはまる。
これは部下の優秀さに上司が自分への劣等感からルサンチマンを感じたことで部下よりも優位に立つために攻撃して自分が上であると示したり失敗を強調させることで部下を低く評価しているのだが、こんなことは今日の社会ではよく見る光景ではないだろうか。
優秀な部下は、恐ろしい上司に怯え生活していくことになり、耐えられなくなればその会社を辞めてしまうかもしれない。
すると、この上司が自分の抱いているルサンチマンを理解しない限り自分よりも優秀な人材は育ちにくいまたは存在しない会社を生み出してしまい、ゆくゆくは会社そのものを崩壊させかねない。
このように哲学とは僕達の周りで常日頃から起こっている事柄に目を向けた学問であり、人が生活していくことで知っておくべき教養なのだ。
また哲学は学ぶことで広い考え方を身に着けることもでき、ものごとをより多角的にとらえることができる。
特に生きていくうえで悩みの多い人は哲学によって消化できるものもあるかもしれない。
ちなみに僕は哲学を知るきっかけになった本がある。
山口周の「武器になる哲学」という本だ。
哲学初心者でもわかりやすく書いてあったので、参考にしてみてほしい。